今日は1日研修となります。
テーマは
『木材の劣化と対策』
『木造建築物の耐久性能と維持管理方法』
最初の講義
『木材の劣化と対策』は
京都大学大学院農学研究科
助教授 簗瀬佳之氏 です
農学の先生が住宅の話?
と思うところですが
今回は生物劣化のシロアリと腐朽菌劣化がテーマです。
住まいの中で
多くの方々が名前を聞いただけで
驚き,不安になるシロアリ。
私たちも一番心配になります。
知識を得て、皆さんに還元しなければなりません。
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イエシロアリやヤマトシロアリは
主に床から侵入し
水分条件によっては
柱を食害して
小屋裏まで被害が広がります。
アメリカカンザイしろありは
北米産の木材や家具の輸入などによって
日本に持ち込まれた移入種で
主に乾燥した木材を食害します
住宅での被害は
外装木材や小屋裏材に集中する
(参照:一般社団法人住宅医協会 住宅医スクール2015テキスト)
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春先から夏にかけて
羽アリが発生します。
あっ!シロアリ! と思いがちですが
よく見てみてください。
羽根の形状でシロアリとクロアリの区別ができるそうです。
4枚の羽根が同じ大きさは《シロアリ》
4枚の羽根のうち長いのと短いのが2枚づつは《クロアリ》
また
乾燥害虫というものも存在します。
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乾燥した木材を加害し
主に床下や小屋裏、外装材への被害が多発しています。
チビタケナガシンクイを除いて
主な乾材害虫は
幼虫が木材中で食害活動をして
成虫になって木材中から脱出する
(脱出孔が残る)
辺材部への加害が集中し
芯材部の被害はすくない
集団で活動しないため
シロアリほど食害材の強度低下は見られない
(参照:一般社団法人住宅医協会 住宅医スクール2015テキスト)
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被害をみると
シロアリ被害と間違えることもあるようです。
違いを見極めて、駆除方法を考えなくてはいけませんね。
最後は
木材の腐朽です。
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木材腐朽は菌類(キノコ)による
木部の分解です。
木部表面への胞子の付着と水分供給から
菌糸の発芽と成長が始まります。
土壌からの水分
屋根や壁ん雨仕舞い
漏水、結露水によって発生します。
(参照:一般社団法人住宅医協会 住宅医スクール2015テキスト)
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木材腐朽は
温度・水分・酸素が必要な要素です。
この中から私たちが対策できることは
水分です。
床下の湿気や雨漏りなど
日頃の点検から被害が未然に食い止められます
まずは
自ら点検をしながら
防除をしていくことが大切ですね。
不安な時は
おかかえの工務店さんや大工さん、住宅会社へご相談ください。
今日もありがとうございます