シルバーウィーク 4日目
みなさん いかがお過ごしでしょうか。
連休の少しの時間
読書の時間を頂きました。
ずっと読みたいを願っていた1冊。
古民家鑑定士のテキストにも転載されていて
一度は読まなければと思っていました。
しかし、すでに絶版。
そんな中
静岡市の図書館に貸し出し用としてありました。
なぜ、今まで気づかなかったのか。。。
気になったところを
少しだけ転載してみます。
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伝統技術を継承する知恵
《前略》
ご遷宮工事の最盛期になると、
約1000人の大工さんが必要である。
その人達は全国から集まってくるが
工事が終わるとその中から優秀な腕前を持つ10人を残して
あとは解散する。
幸い神宮には120余の末社があるので
その修理をやりながら
次のご遷宮までの20年間もっぱら腕を磨く。
そして次の工事の時は
その大工さん達が棟梁になって
全国から集まってくる大工を指揮する。
そういう組織ができているから
技術面で困る事はない。
それに20年という間隔は
人生60年の中で
一度は習い
一度は自分で造り
一度は教えるというサイクルになっているから
合理的だ、
《後略》
参照:木の文化をさぐる 著:小原二郎
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住まいと四季
《前略》
こうした住まいをつくるのに
木はもっとも適当な材料であった。
だが私は日本人が木を好んだもう一つの理由に
仏教の無常観があったのだと思う。
私たちの祖先は、
自然も社会も常に移り変わるものと悟っていた。
その法則にさからわないで暮らしていくのが
日本人の生き方であった。
すべては人間の命とおなじように
限りあるはかないものと思っていたから
木のように朽ちて自然に帰っていく素材に
なにか心を惹かれるものがあったのであろう。
前後、私たちの生活は急速に洋風になった。
たしかに洋風は機能的で便利であるが
そんとなく落ち着きに欠けるものがある。
それは四季につながった和風の空間が失われたためであろう。
このあたりでもう一度
縁側、濡れ縁、土間といったゆとりの空間を持つ和風のよさを
振り返ってみるべきではないだろうか。
だがそれは純和風といった堅苦しいものではなく
もっと気軽に楽しめる新しい形の和風であってよいと
私は思う。
参照:木の文化をさぐる 著:小原二郎
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木を通じて
建築に特化せず
様々な分野から本質を紐解いています。
日本人のDNAの源がまるでここにあるかのように。
森林資源が枯渇していく中で
私たちの木との付き合い方を学ぶ機会になります。
一気に読み通してしまいました。
何かの折に、この本にチカラを借りたいと思います。
こんな近くにあったので。。。
今日もありがとうございます