秋田県横手市増田
横手盆地の南東 山間部に位置します。
羽州街道から仙台藩領ヌル湯へ抜ける小安街道沿いにあり
旧増田城の東側と北側に展開しています。
街道に沿って
短冊型に割られた敷地に
意匠的に発展した切妻造妻入主とする
店舗兼住宅の主屋が連なります。
その背後には
当地域では「内蔵」と呼ばれる主屋と
接続する鞘付土蔵を連続して
豪雪に対応した長大な空間を形成しています。
旧石平金物店(観光物産センター 蔵の駅)
この家屋は
間口が狭く
奥行きが極端に長いです。
道路に面した正面に店舗を配し
その奥に神棚のある次の間、座敷、居間、水屋と繋がる部屋割りは
増田の商家家屋の基本的な配置で
各部屋の南側に店舗より裏口まで延びるトオリも残っています。
また、他家と同様に覆い屋に包まれた土蔵が主屋の水屋に繋がり
主屋と土蔵(内蔵)が一体となった増田特有の造りとなっています。
黒漆喰で仕上げられた蔵の扉
内蔵のため風雨に晒されることなく
状態よく残っています。
佐藤又六家(重要文化財)
江戸時代から続く旧家です。
外見上は他家と同様に
木造の屋根の妻を張り出した大きな切り妻屋根の商家造りですが
内部は土蔵造りです
中に入り水屋部分に進むと
背後に開かれた掛子塗の土戸が現れ
初めて今まで蔵の中にいたことが分かります。
また、土蔵と取り付きとなる水屋の上部は吹き抜けとなっており
豪雪地帯特有の井桁に組まれた太い梁や桁を見ることができます。
屋敷の奥行きは50間
造ったのが宮大工であることをうかがわせる
社寺装飾で飾られた豪華な主屋です
大きな4段組みの桁が存在感を表しています。
また棟飾りには鼻緒を切った草履が飾られています。
今後棟梁が修理に来ることが無いくらいに
しっかりと建てたという自信から
草履が必要ないという意味ではないかとお話頂きました。
こちらもしっかりとした蔵の鞘
この地域は
伝統的建造物群にしていされて3年目。
毎年4棟ぐらいの改修・修理を進めています。
そして街道の電線の地中化も実現するようです。
時間をかけながら
しっかりとした街並みの復元が進められています。
5年後、10年後の街並みの復活が楽しみです。
またその頃お伺いしたいと思います。
今日もありがとうございます