・・・・・・・・・・・・・・・・・・
木の魅力
木は生きものである。
その1本1本にくせがあり
一つ一つがちがった語りかけをして来る。
木を活かして使うには
まず木の心を読み木のくせを知る必要がある。
そのことは
さまざまな性格を持つ人びとの協力によって
一つの事業を完成させるのと似ている。
千年の風雪に耐える建物をつくるには、
木のくせを組み、
人の心を組むことから始めなければならない。
木は生きている
木は伐られたとき第一の人生を終えるが
建物に使われたとき、もう一度第二の人生が始まる。
第一の生は千年を超える長いものであるが
第二の生もそれに劣らず長い。
そして耐久性についていえば
木は鉄よりもその生命が長いのである。
ヒノキと日本人
木には不思議な魅力があるが
その味わいは樹種ごとに
また産地ごとにちがう。
それは人間が民族ごとに
また郷土ごとに異なった習俗や性格を持つのと似ている。
ヒノキは日本人の肌に一番よく合う木であるが
それは長い歴史の中から生まれてきたものである。
飛鳥の工人たちは
すでにヒノキの心を知り
それをうまく使いこなしていたのである。
木を求める苦労
薬師寺再建のため
その用材を求めて遠く台湾にまで旅をした。
台湾の山の中でヒノキの大木を仰いだとき
飛鳥工人のひらめきとその苦労を知ることができた。
よい建物をつくるコツは
まずよい木をさがすことにある。
西岡氏が
法隆寺を1300年にわたって支えてきた木について語り
その内容を小原氏がまとめたもの
法隆寺を支えた木
著書 西岡常一 小原二郎
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
木に携わる者として
まだまだ木の真の姿を知りません。
ひとつひとつ学ばなくてはいけません。
木の魅力を最大限に引き出すために