今から120年前
ニューヨーク・サン新聞社に
1通の手紙が届きます。
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きしゃさま
あたしは、八(やっ)つです。
あたしの友(とも)だちに
『サンタクロースなんていないんだ。』っていっている子(こ)がいます。
パパにきいてみたら
『サンしんぶんに
といあわせてごらん。
しんぶんしゃで
サンタクロースがいるというなら
そりゃもう
たしかにいるんだろうよ。』と、いいました。
ですから、おねがいです。
おしえてください。
サンタクロースって、ほんとうに、いるんでしょうか?
新聞社は
この質問を社説で取り上げ
返事を出しました。
…うたぐりやは
目(め)にみえるものしか信(しん)じません…
この世(よ)の中(なか)に、愛(あい)や、人(ひと)へのおもいやりや
まごころがあるのとおなじように
サンタクロースもたしかにいるのです…
サンタクロースがいなければ
人生(じんせい)のくるしみをやわらげてくれる
子(こ)どもらしい信頼(しんらい)も
詩(し)も、ロマンスも、なくなってしまうでしょうし
わたしたち人間(にんげん)のあじわうよろこびは
ただ目(め)にみえるもの
手(て)でさわるもの、かんじるものだけになってしまうでしょう…
この世界(せかい)でいちばんたしかなこと
それは、子(こ)どもの目(め)にも、おとなの目(め)にも
みえないものなのですから…
と。
『サンタクロースって いるんでしょうか?』
(ニューヨーク・サン新聞社説、中村妙子訳、東逸子絵、偕成社)
(産經新聞 ときを紡ぐ絵本 親子とともに より抜粋)
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目に見えないものが心を豊かにするのだと
一人の記者が語りかけたこの社説は
今も世界中の人々に読み継がれているそうです。
「子どもからの問いだから」とか
「子どもだからわかるはずがない」と
私たち大人が
子どもたちを未熟な存在とみなすのではなく
子どもを一人の人間として認めることで
真摯(しんし)に応答していく私たち大人の姿勢。
子どもたちからの問いは
ときに、私たち大人に
自分自身の生き方やその心構えを
問い直す機会を与えてくれます。
それと同時に
未来を生きる子どもたちに
私たち大人が伝えていくべきものは何か
今しなければならないことは何かを考えさせてくれます。
今日はクリスマス
素敵な夜をお過ごしください。
サンタクロースが待ち遠しいですね。
今日もありがとうございます