和のインテリアの代表のひとつに障子があります。
和紙を通じて差し込む光は
暖かく柔らかく
紙という自然素材の風合いとも相まって
心安らぐ空間を作り出します。
障子として使われる和紙の光の透過率は
約40~50%と言われます。
直射日光を適度に遮り
取り込んだ光を拡散させて
部屋全体を明るく見せる効果があります。
さらに
通気性、吸湿性、断熱性に優れて
日本の気候風土にあった機能的な建具といえますね。
最も一般的なのは
全面に和紙を貼った「水腰障子」です。
他にも一部にガラスをはめた「雪見障子」
風などで痛みやすい下部に板を貼った「腰付障子」
組子の組み方や形状により様々な種類があります。
もともと障子は
部屋を仕切ったり部屋を遮るための
建具の総称でした。
和紙を貼った障子が
考案されたのは平安時代と言われています。
それ以前は
襖や板戸を障子と呼んでいたそうです。
ところが
これらの建具には
採光の機能がありません。
閉め切ると冬の寒さはしのげるものの
部屋は昼間でも真っ暗になってしまいます。
そこで考案されたのが
和紙を通じて日の光が取り込める障子です。
それまでの襖や板戸特別して
「明り障子」と呼ばれます。
ガラス戸のない時代
明り障子は暗く鬱々とした冬の暮らしを
一変させたことでしょう
当時は
材料となる和紙が高価なものでした
一般の家庭に普及したのは
江戸時代になってからだそうです。
昔は
夏のなると障子の代わりに
風通しのよい簾戸(夏障子)を使います。
秋風が立つ頃、和紙障子と入れ替えます。
その際に障子を表に出して
桟を洗ったり
紙を貼り替えたりして
冬の暮らしに備えました。
俳句の世界で
「障子」が冬の季語
「障子洗う」が秋の季語
であるのはその習慣のためのようです。
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